2021衆院選序盤情勢 新聞各紙読み比べ

新聞各紙の総選挙序盤情勢読み比べ

自民減、公明増、読売新聞「自公両党では絶対安定多数」うかがう

立憲は議席上積み、共産堅調、維新は躍進、国民民主は現状維持

 

読売新聞、毎日新聞産経新聞日本経済新聞各紙の衆院選挙の序盤情勢調査が21日の朝刊紙面に出そろった。各紙の見方を大まかにまとめると、自民は公示前の276議席から減らし、単独過半数の233議席を維持するかどうかが焦点、公明党は公示前の29議席を確保し上積みをねらう。読売新聞は「自公両党では絶対安定多数(261議席)をうかがう」としている。

立憲民主党は、共産党、国民民主党、れいわ新撰組、社民4党と野党候補の一本化をはかった。その結果、読売新聞によると、「自民は小選挙区で優位な戦いをすすめる候補が120人前後にとどまっている。40人以上が劣勢で、野党統一候補に苦戦している選挙区が目立つ」としている。

毎日新聞は各党の推定当選者数を示しているが、立憲は88~146人(自民は224~284人)となっている。読売新聞は立憲について「(選挙区、比例合わせて)公示前の110議席から20議席ほど伸ばす可能性がある」としている。一方、毎日新聞は「立憲は公示前勢力(110議席)の上積みを視野に入れる。」と抑えた書きぶりだ。立憲は、比例選では伸び悩み、日経によると、「比例代表に限ると公示前勢力の62議席を保てるか微妙な情勢だ」。接戦選挙区をどちらが制するか、最終盤まで注目を集めそうだ。

共産党は、各紙調査とも前回12議席を上回るとの見方だ。読売新聞は「共産は小選挙区で1人が優位に立ち、比例選では15議席を超える勢いを見せており・・・」と報じている。国民民主党小選挙区で苦戦しており、公示前の8議席を維持できるかどうかが焦点。

維新は19選挙区ある本拠地・大阪で優勢に選挙を戦っており、比例でも前回8議席から大きく増やす見込みだ。読売新聞と毎日新聞はそれぞれ、公示前(11議席)の3倍増となるとの見通しを示している。れいわ、社民党は各紙でやや強弱あるが、それぞれ1議席を取りそうだ。 

朝日新聞は21日付け紙面で、全国世論調査(19日、20日と実施)の結果を報じたが、政党別の議席予想は出していない。ただし、同調査で「今後も自民党を中心とした政権が続くのがよい」か、「立憲民主党を中心とした政権に代わるのがよい」か、との問いに対して、「自民党中心」46%、「立憲民主党中心」22%と、自民党のダブルスコアになっている。

開始早々に「政権選択の選挙」としては決着がついている感があるものの、何があるかわからないのが「選挙」というものだ。自公(与党)が立憲(野党)に勝ったとしても、自民の減少幅が大きければ岸田氏の求心力に響くことになる。

議席目標について、衆院解散後、岸田氏は「与党で過半数を達成」と語ったが、それではハードルが低すぎる。一方の立憲民主・枝野代表は目標議席数について具体的に言及していない。観客席からいえば、公示前の110議席を大きく上回らないと野党共闘の意義を問われかねない。選挙終盤に向けて自民、立憲の両党について、「勝ち」「負け」をわける議席数が話題になり、それなりに熱い戦いが続くだろう。